インフレータブルSUPボードの基本的な構造・技術について

SUP基礎知識

インフレータブルタイプのSUPボードとは

従来のボードがハードボードと呼ばれるのに対して、インフレータブルタイプのボードは普段は折りたたんで収納し、利用する際に現地で空気を入れて利用します。専用のポンプが付属するモデルが多く、5~10分ほどで膨らませることができます。
折りたたむと少し大きめのリュックサック程度の大きさになり、電車でも持ち運びもできてしまうのが最大のメリットとなります。
このように、SUPの最大のネックであったボードの保管・移動方法を解決しつつも、意外にも丈夫さと汎用性の高さを誇ります。空気で膨らましていることが不思議なくらいの剛性(硬さ)を誇り、体格の大きな男性でも問題なく利用することができます。

インフレータブルSUPボードの構造・技術

空気を入れて膨らませるという構造から性能はハードボードに比べて劣るというイメージがありますが、技術の進歩により今やハードボードと同等の性能を誇るボードも存在しています。

各社SUPのボードメーカーは如何にインフレータブルボードでハードボードのような硬さや丈夫さを実現するかという開発を行っており、こういった最新技術が採用されているかどうかがコスト(販売価格)に影響しています。ここでは、代表的な技術を紹介します。

ドロップステッチ構造

ドロップステッチ構造とは、空気を入れて膨らませる部分に無数の糸を張り巡らせた構造のことで、ボードの本体を形作る部分となります。この構造のおかげで、空気を入れても風船のように丸く膨らむことなく、ボードの形状を維持することが可能になっています。このドロップステッチ構造が施された空気を入れて膨らませる部分を「ドロップステッチコア」などと呼ぶ場合があります。

一般的に張り巡らせる糸が高密度であるほど、ボードは硬く丈夫になる一方で重量が増します。そのため、軽くて丈夫なドロップステッチコアの開発に各社メーカーは技術を注いでいます。

レイヤー(層)構造

ボード本体は上記のドロップステッチコアを覆う外層で構成されます。この外層が複数に重ね合わされるほど硬く丈夫になる一方で重量が増します。また、一層あたりの丈夫さを向上させるコーティング技術や、層と層を接着させる方式の改善等、各社メーカー独自の方法で軽量化と高強度を実現しています。現在、有名メーカーのインフレータブルボードは多層構造が主流ですが、普通に利用するにはどのモデルも十分な強度であると思います。

サイドレール・エッジ(側面)構造

ボードの側面は衝突などの外傷に備えた構造になっています。また、RED PADDLE CO(レッドパドル)社などはボードの淵に沿って補強用板を埋めこむシステムを採用しており、この補強用板によってボード全体の強度を向上させていたりします。

その他(便利な機能等)

持ち運びに適したSUPボードという点で、ボードだけではなく、持ち運ぶためのキャリーケースや空気を入れるためのポンプにも各社工夫が施されています。

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